ケース別転職ノウハウ

20代と30代の転職はどう違う?市場価値やコツの違いなどを解説します

同じ「転職」といっても、20代と30代の転職ではさまざまな面で違いがあります。
転職を成功させるためには、20代と30代で異なる採用側の意識を転職者もしっかり把握しておく必要があります。
また、30代で転職を考えている方は特に20代と30代の違いについて認識し、30代の転職成功の秘訣を心得ておきましょう。

1.20代と30代の転職、どっちが有利?

1-1 最近の転職市場

20代、30代の転職について紹介する前に、転職市場全体の傾向に触れておきましょう。

2018年現在の転職市場は人手不足の傾向にあり、有効求人倍率は平成21年から右肩上がりに推移しています。

求職者に対して求人数が多いこの状態は、転職希望者にとって売り手市場であると言うことができます。

求職者よりも求人数が多いということは、少ない求職者を企業が奪い合う形となります。

したがって、求人倍率が低かった時代には経験者のみの募集をしていた業界や企業でも、現在は未経験者にまで門戸を広げているケースも増えつつあります。

現在の転職市場は、20代、30代のどちらの世代にとっても、求職者にとっては好ましい状況であると言えるでしょう。

 

1-2 若さが魅力の20代

活発な転職市場においても、特に若い20代の人材を求める企業は多く、20代の転職市場はより盛況であると言えます。

企業が20代に大きな魅力を感じている部分は、ずばり「若さ」です。

社会人経験が浅いことは、逆に前の企業のカラーに染まりきっておらず、新たに入社する会社でも柔軟に対応できると考えられます。

未経験分野への転職も20代であれば、可能性は十分に広がっています。

単に転職という事象を捉えて言えば、30代と比べると若い20代の方が転職に有利になる傾向は間違いではないでしょう。

 

1-3 30代の転職成功者とは

一般的に転職は、若さが武器の20代の方が有利だと言われています。

30代となると特に未経験の分野への挑戦は売り手市場上の現在であっても、20代と比べると厳しくなりがちです。

では、30代で転職を成功させる人はいないのかというと、そんなことはありません。

30代でも自分の納得のいく転職活動を行ない、希望の企業や希望の職種に転職する人もたくさんいます。

どのような30代が転職活動を成功させるのか、順を追って考えていきます。

2.20代・30代の転職理由と転職先の企業選びの違い

2-1 20代の転職理由

新卒の入社では、社会人経験がない学生の時に就職活動を行ない、内定を得た企業へ入社するのが一般的です。

就活のために業界や職種の研究をしたとしても、社会人経験がない状態では、企業の社風や雰囲気、配属される業務の具体的な内容などはよくわからないまま入社をすることが多くなります。

したがって、入社した後に、イメージしていた会社と違った、自分が思い描いた仕事とは違ったと感じるケースは少なからずあるでしょう。

学生から社会人となり、仕事をしていく中で、自分がやりたかったこと、自分に合う仕事、自分が求める業界がより明確になってくることがあります。

そのため、今の環境とのミスマッチや自分の進む方向を軌道修正するために、転職という方法で、自分の希望に近い会社へ入り直すという考えの人が多いのが20代の特徴です。

 

2-2 30代の転職理由

30代の転職でも、自分の方向性に悩み、転職を考える人がいるのは同じです。

また、30代では自分の方向性だけではなく、会社の将来性に疑問や不安を感じて転職を考える人も増える傾向があります。

新卒の頃は初任給にそれほど開きがないものの、30代になってくると同世代の友人との賃金格差も気になり始めます。

今の給与や待遇を改善するための方法として、「転職」の文字が視野に入ってくるのです。

また、自分のことで精いっぱいだった20代に比べ30代に入ると自分だけではなく部署や会社全体の業績にも目がいくようになり、今後の展開もある程度予想できるようになります。

結婚など家族が増えることの多い30代では、自己実現のためだけでなく、将来的な安定を理由に転職をする人が増えるのが特徴です。

 

2-3 20代の転職先選び

自分の成長のため、自分の目標を叶えることが転職の大きな目的となる20代は、自分のやりたいことができる企業を転職先として選ぶ傾向があります。

また、終身雇用が当たり前だった時代とは違い、企業規模や知名度より、自分の興味がある分野ややりがいなどを第一優先とする人も多いようです。

 

2-4 30代の転職先選び

30代は自己実現のためだけではなく、会社の将来性を転職理由の一つにあげることが増えてきます。

したがって、転職先として選ぶ企業にも事業内容や業務内容はもちろん、賃金条件、企業規模や安定性を重視する傾向にあります。

20代に比べ、30代となると次々と転職することは難しく、転職先についても慎重に考えるようになります。

 

また、30代になれば、これまでの経験から企業の体質や社風を見極める力も身についている人が多く、何も知らなかった新卒の頃に比べ、より厳しい目で会社を選ぶことができます。

企業に選んでもらうのを待つのではなく、自分も企業を選ぶ気持ちで転職活動に臨むことが、30代の転職者が転職を成功させるコツの一つではないでしょうか。

3.20代・30代が企業に求められるものの違い

3-1 20代の市場価値

企業は20代に何を求め、社員として採用をするのでしょうか。

20代の採用は、その人が持っている伸びしろに期待するポテンシャル採用が多くなります。

これまで何をしてきたか、ということももちろん問われるでしょう。ただ、それだけでなく仕事に対する情熱、やる気を重視されるケースも多いようです。

採用後、時間を重ねて教育し、一人前の仕事ができるようになるまでは、企業は投資期間として給与を支払うのです。

20代はその投資に見合う人材かどうか、人柄や将来性、仕事への情熱などを測られることがあるので、しっかり対策しておくことが重要です。

 

3-2 30代の市場価値

30代の転職において多くの企業が重要視するのは、即戦力となる人材です。

企業は前職までに培ってきた経験やスキルを充分に活かし、新しい会社でもその能力を発揮し、採用後すぐに戦力となり得る人材を求めています。

将来性に期待する20代の採用とは違い、30代はそれまでの実績が重視されます。

経験分野の業界や職種であれば、前職の経験が考慮され、給与も優遇されることがほとんどです。

 

また、未経験の分野や職種であっても、前職で身につけたスキルや経験が次につなげられると判断されて評価にされると、採用される確率も高くなる可能性があります。

その際、同じ未経験だとしても、新卒入社の人材と給与よりも高い額を提示されることがあります。

新卒や20代よりも厚遇で採用されるということは、会社からの期待の裏返しでもあるのです。

4.20代・30代の転職のコツ

4-1 20代の履歴書・職務経歴書

20代は社会人経験が少ないため、30代と比べると実績などについて職務経歴書に書ける内容は限られてきます。

履歴書は、空欄を残すことのないよう丁寧に記載しましょう。特技や趣味なども面接時の話のきっかけとなることもあります。

志望動機欄は、自分の熱意をアピールできる唯一の場所です。

なぜ入社を希望するのか、応募企業に魅力を感じている部分を自分の目標と合わせて具体的に記入します。

職務経歴書は前職で担当した業務について、詳しく記載するようにします。

また、研修期間はビジネスマナーなどの習得を示すため、研修内容について記載するとよいでしょう。

 

4-2 20代の転職面接

面接で必ずと言っていいほど聞かれることは、なぜ前職を退職したのか、もしくは退職を希望しているのかという退職理由です。

若さが魅力の20代であっても、前職が極端に短い経歴の場合、「採用してもまたすぐに辞めてしまうのではないか」という不安を企業側に与えてしまいます。

 

なぜ前職を退職したのかを前向きな理由で説明できるようにしておきましょう。

例えば、〇〇が嫌だったという理由であっても「自分は××をやってみたいという希望の方が強くなったため」と肯定的な表現に言い換えることで、面接官に前向きな姿勢をアピールすることができます。

また、志望動機についても前職の退職理由と一貫性をもたせて、××という自分の目標を実現するために、入社を希望していると伝えられるようにしておきましょう。

 

4-3 30代の履歴書・職務経歴書

20代と違い社会人経験が豊富な30代は、履歴書だけではなく、職務経歴書が重要な意味を持ちます。

勤務先名称だけでなく、業種、企業規模、配属部署も明記し、具体的にどのような業務に携わってきたのかを詳しく書きます。

企業が最も知りたいポイントの1つは、求職者がどのような業務を経験し、そしてどのような成果をあげたかという点です。

 

売上高など数字で表される部分は数字を示し、社内コンクールなどでの表彰経験があればそれも書き加え、具体的な実績を記しましょう。

マネジメント経験や後輩の指導歴があれば、それについても具体的な人数や時期、チームで挙げた成果などを記載し、業務スキル以外にも経験があることをアピールします。

 

4-4 30代の転職面接

20代の転職面接と同じように、退職理由や志望動機は30代の面接においても重要な部分です。

前職の職場環境や業務内容に対して不満を伝えてしまうと、転職先の職場でも文句を並べる人だというマイナスの印象を与えてしまい恐れがあります。

社会人としての経験を積むことができたのは、前職で採用された実績があるからであり、そこに感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。

転職は前職への不満からではなく、自分をより成長させるための挑戦であること、自分の能力や経験をより発揮することのできるフィールドを求めていることを採用担当者に伝えることが大切です。

 

そのうえで、前職での経験や実績、学んだことをアピールします。

そして、一番大切なのは、前職で得た経験やスキルが次の会社でどのように活かせるのかを伝えることです。

採用担当者に、入社後すぐに活躍できるイメージを具体的に与えられるように自己アピールすることが転職を成功させるためのカギになります。

5.まとめ

転職市場が活発な現在、新たな場所で活躍を望む人材を企業は歓迎しています。

30代でも転職を成功させている人は多くいます。

転職における20代と30代の違いを把握し、即戦力として活躍できる人材であることをアピールすることが30代の転職を成功させる秘訣となるでしょう。

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