更新日:2025年01月24日

トラックドライバーも残業代はもらえる? 計算方法などを解説

トラック運転手として勤務している、あるいはこれからトラック運転手の仕事を始めようと思っている方の中には、残業代の扱いについて疑問を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。万が一、残業代の未払いがわかった際には、トラック運転手の残業代について正しい認識をもった上で、請求を行うこと大切です。

この記事では、トラック運転手に残業代が支払われる基準や条件、計算方法、未払いの残業代を請求する方法について解説します。

トラック運転手も残業代はもらえるのか?

トラック運転手も、本来であれば時間外労働を行った分の残業代はもらえます。しかし、さまざまな理由で残業代が正しく支払われていないケースも少なくないようです。ここでは残業代が支払われる基準や条件、労働時間に含まれる要素について解説します。

残業代が支払われる基準と条件

トラック運転手に限らず、基本的には時間外労働をした分だけ残業代が支払われます。例外はあるものの、労働基準法で定められた「1日8時間・1週間40時間」を超えて働いた時間は、基本的に時間外労働となります。歩合給の場合でも、法定労働時間を超えた分は残業代が発生します。

労働時間に含まれる要素

トラック運転手の労働時間には、トラックを走行している時間以外にも、「荷待ち時間」や「車両整備時間」が含まれる場合があります。これらの時間は休憩時間とみなされて労働時間には含まれないこともがありますが、場合によっては労働時間となる可能性があります。

荷待ち時間とは、荷物の積み降ろしを待つ時間や、他のトラックがいる場合に順番待ちをする時間です。荷待ち時間であっても、空調管理や温度管理が必要な場合、連絡があれば即対応できる状態で待機を行う場合、他のトラックの移動に合わせて数分おきに移動が必要な場合などは、トラックから離れることができません。ですので、これらの場合は労働時間とみなされる可能性があります。
また、業務で使用する車両の点検や清掃、洗車をする時間についても労働時間に該当します。

トラック運転手の残業代計算方法

ここではトラック運転手の残業代について、基本的な計算方法や割増率、固定残業代とみなし残業代の扱い、例外となるケースについて解説します。

基本的な計算方法と割増率

トラック運転手の残業代を計算する際、月給制の場合はまず「1か月の基礎賃金÷月平均所定労働時間」を求め、1時間あたりの基礎賃金を算出します。

残業代を計算するには、次のような割増率が適用されます。

  • 時間外労働:125%(1か月当たり60時間を超える残業の場合は150%)
  • 深夜労働:125%(午後10時から翌朝午前5時までの労働)
  • 休日労働:130%(法定休日の労働)
  • 時間外労働かつ深夜労働:150%(1か月当たり60時間を超える残業の場合は175%)
  • 休日労働かつ深夜労働:160%

これらを用いて、残業代は「1時間あたりの基礎賃金×残業時間×割増率」で計算します。

固定残業代とみなし残業代の扱い

固定残業代とは、あらかじめ決められた時間外労働時間に応じた残業代を毎月定額で支払う方法のことです。また、みなし残業代とは、あらかじめ支払う賃金のなかに一定時間分の残業代を含めておくことを指します。

どちらの場合でも、あらかじめ決められていた時間外労働時間を超える残業を行った際には、固定残業代やみなし残業代のほかに残業代が支払われることになります。

例外としての請負契約や歩合給制の計算

請負契約で残業代が出ないケースでも、実際の労働状況が雇用契約にあたると判断される場合は、雇用契約と同様の計算で残業代を請求できることがあります。たとえば会社所有の車両や道具を使用して業務を行っていたり、具体的な指揮命令を受けて業務を行っていたりする場合などは、雇用契約にあたると判断される可能性があります。

また、歩合給の中に残業代が含まれているケースでは、内訳において残業代の金額が明確でなければ、残業代として支払われているとは認められません。そのため、正しく残業代を計算するためには、内訳を確認することが重要です。

未払い残業代を請求する方法

これまでの業務において未払いの残業代がある場合は、証拠を収集し、適切に請求することが大切です。ここでは証拠の集め方と相談方法について解説します。

証拠の収集

労働時間を証明するためには、タイムカードなどがエビデンスとなります。ただし、事業所でタイムカードを使用していない場合、日報やタコメーターも証拠として使用できる可能性があります。
ただし、日報やタコメーターは休憩時間などが具体的に記載されないこともあるため、これらとは別に、ご自身で記録を残しておくとよいでしょう。

内容証明郵便や労働基準監督署への相談方法

会社に対して未払いの残業代を請求する際には、内容証明郵便で請求書を送付しましょう。内容証明郵便であれば書面を送付した証拠が残ります。

未払いの残業代の請求は、労働者自身で請求手続きを行うことは難しいため、専門機関に相談するのがよいでしょう。法令違反が生じている場合は、労働基準監督署へ相談してみましょう。それ以外の場合は、各都道府県の労働局などに設置されている「総合労働相談コーナー」へ相談してみてください。

まとめ – トラック運転手が残業代を適切に受け取るためのポイント

トラック運転手が残業代を適切に受け取るためには、トラック運転手の残業代のしくみを正しく理解し、自身の労働時間を正確に把握しておくことが大切です。時間外労働を正確に証明できるように記録を残し、万が一適切に支払われていないようであれば、専門機関に相談しましょう。

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参考:【ドライバー・運転手の求人/転職情報ドライバーズジョブ】|ドライバー・運転手の求人/転職/募集と仕事/年収/免許の情報サイト

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