面接で短所について聞かれる理由

採用面接で短所について質問される主な理由は次の通りです。

仕事への適性を確認するため

面接官は、求職者の短所を質問することで仕事への適性を確認しています。例えば、コミュニケーションの苦手さを短所だと感じている場合、顧客や取引先とのやり取りが多く発生する職種には不向きです。仕事に問題が無いかを確認するために、短所が問われます。

自分を客観視する力を確認するため

2つ目の理由は、自分を客観視する力を確認するためです。自らの短所を答えるためには、自分のことを客観的に把握する力が求められます。面接で短所を問うことで、求職者が自分をどれだけ客観視できているかの確認が可能です。

課題への取り組み方を知るため

3つ目の理由として、課題への取り組み方を知ることが挙げられます。求職者が自分の短所を補うために、どのような取り組みや心がけをしているかを把握することが、短所について質問をする理由です。

短所についての質問に答えるための準備

短所についての質問に適切に答えるために、次のような準備をしておきましょう。

自分で短所だと思うことを書き出す

まずは、これまでの経験をもとに自分で短所だと思うことを書き出します。例えば、「心配性である」や「せっかち」、「計画性が無い」など、思いつく短所をリストアップしましょう。

家族や友人に自分の短所だと思う点を聞く

家族や友人、先輩など自分のことを知っている人に、短所だと思う点を聞くこともおすすめです。他の人に質問すると、客観的に見て自分では気づかなかったような短所が見つかる可能性があります。

短所を補うための行動や心がけを書き出す

自分の短所が明確になったら、それを補うためにできる行動や心がけを書き出しましょう。短所だけでなく対策まで事前に考えておくと、面接時に返答しやすくなります。

面接で短所を聞かれた時の答え方

面接で短所について聞かれた時には、次のような流れで答えることが効果的です。

自分の短所を簡潔に述べる

まずは、自分でどのような点が短所だと思っているかを簡潔に述べましょう。結論から手短に答えると、聞き手にとって分かりやすくなります。

短所だと思う理由やエピソードを伝える

次に、その点を短所だと思う理由を伝えましょう。エピソードなどを交えて、具体的に説明することが重要です。

入社後に向けた短所の改善について述べる

最後に、入社後に向けて短所をどのように改善していくかについて述べると、好印象となります。取り組みの内容や心がけることなどを伝えた上で、回答を終えましょう。

具体的な返答例

短所についての質問への具体的な返答例を4つ紹介します。

「私の短所は、課題を自分一人で抱え込んでしまうことです。これまでに、大学のグループワークやサークル活動などでリーダーを務めることが多かったのですが、トラブルへの対処を一人でやろうとして失敗してしまった経験があります。入社後は、上司や同僚に早めに相談することを心がけたいと思います。」

「私の短所は緊張しやすいことです。過去に大事なプレゼンで緊張してしまい、内容を思うように伝えられなかったことがありました。最近は、何度も練習を重ねるとリラックスして本番に臨めることが分かったので、入社後も大事な場面では繰り返し練習するように努力します。」

「私は時に優柔不断だと言われることがあります。しかし、それは慎重に物事を分析し、最適な判断をするために、情報をしっかり集めて検討する傾向があるからです。業務では、選択肢を比較し、リスクを考えながら成功につなげる方法を模索することを心掛けています。今後は、優先順位を意識し、迅速な決断を行う力を身につけていきたいと考えています。」

「私は完璧を求めすぎてしまう傾向があります。そのため、作業に時間がかかることもありますが、細部まで注意を払うことで、正確で質の高い成果を出すことを意識しています。ただし、チームでの業務では、スケジュールを守りながら進めることも重要だと考えています。今後は、適切な判断をしながら、効率よく業務を進める力を高めたいと思っています。」

短所についての質問に答える時のポイント

短所についての質問に答える時は、できるだけ良い印象にするために次のようなポイントに気を付けましょう。

外見や身体的な特徴については触れない

面接で説明する短所は、外見や身体的な特徴についての内容は避けた方が無難です。考え方や行動など、本人の努力次第で対処できる短所を取り上げましょう。

伝える短所は1つに絞る

短所の数が多すぎると、必要以上にネガティブな印象を与えてしまいます。そのため、面接で伝える短所は1つに絞ることがおすすめです。

プラスなイメージの言葉で締めくくる

短所を悲観的に捉えるのではなく、自分の課題を自覚した上でどのように向き合っていくかを強調すると、プラスなイメージになります。あくまでも前向きな姿勢を意識して、短所の質問への回答を締めくくりましょう。

面接での短所の言い換え一覧

面接では、企業が求める人材としてふさわしいかどうかを判断するために、短所について質問されることもあります。短所の伝え方によっては、評価が悪くなることもあるため、ポジティブな言い換えを意識することが重要です。

短所の言い換えを工夫すれば、強みとしてアピールできる要素になります。例えば、「優柔不断」という性格も、「慎重に物事を考える」と表現すれば、業務での判断力や分析力を重視する企業にマッチする可能性が高くなります。

以下に、面接対策として活用できる短所の言い換えリストをまとめました。自己分析を行い、自身に合う表現を見つけて、自己PRに活かしましょう。

• 優柔不断 → 慎重に判断し、最適な方法を選ぶ
• 頑固 → 強い意志を持ち、物事にこだわりを持って取り組む
• 神経質 → 細部まで注意を払い、正確な作業を行う
• 感情的 → 気持ちを大切にし、相手の意図を理解しようとする
• 理屈っぽい → 論理的に考え、根拠を持って説明できる
• マイペース → 自分のペースを守りながら、効率的に進める
• 負けず嫌い → 向上心が旺盛で、常に成長を目指す
• 飽きっぽい → 新しいことに興味を持ち、学び続ける意欲がある
• 慎重すぎる → リスク管理を徹底し、成功につながる選択をする
• 完璧主義 → 高い基準を持ち、成果にこだわる
• 自己主張が強い → 意見をしっかり持ち、周囲と積極的に議論できる
• スピード感がない → 丁寧に作業を進め、正確性を重視する
• 決断が遅い → 多方面から分析し、最適な解決策を見つける
• 周囲に流されがち → 協調性が高く、メンバーとのチームワークを大切にする
• 初対面が苦手 → 慎重に関係を築き、信頼を得ることを重視する
• タスク管理が苦手 → 状況に応じて柔軟に対応する
• 細かいことが気になる → 業務の精度を高め、成功につなげる
• 責任感が強すぎる → 最後までやり遂げる力がある
• 仕事を抱え込みがち → 責任感を持ちつつ、チームと協力する
• 冷静すぎる → 落ち着いて状況を判断し、チーム内の調整を円滑に行う
• せっかち → スピード感を持って業務を進める
• 控えめすぎる → 相手の意見を尊重し、協調性を発揮する
• 指示待ちになりがち → 状況を見て適切な判断を行う
• 完璧を求めすぎる → 優先順位を考え、効率的に進める
• ミスを気にしすぎる → 改善策を考え、次に活かせるよう工夫する

このリストを参考に、自分に合う短所の言い換えを見つけて、面接での伝え方を工夫しましょう。

まとめ – 自分の短所と向き合って面接の質問に備えましょう

面接で短所について聞かれたときにスムーズに回答するためには、事前の準備が重要です。自分で短所だと思うことを書き出したり、家族や友人に聞いたりすることで回答を整理しておきましょう。また、短所をただ伝えるだけでなく、改善のための取り組みや前向きな姿勢を見せることが、好印象を与えるポイントです。今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ短所に関する質問に備えてください。

面接では、短所だけでなく長所についても質問される可能性があります。長所の答え方については、下記の記事を参考にしてください。

「面接で長所を聞かれたときの適切な答え方とは？」