更新日:2025年02月05日

再就職手当をもらえる条件は? 受給額についても解説

再就職手当とは、失業した人が再び就職した時に支給される手当です。ただし、再就職手当をもらうためには一定の条件を満たす必要があります。

この記事では、再就職手当を受け取るメリット・デメリット、再就職手当を受給するための条件について解説します。また、受給額の目安も解説しますので、再就職手当の利用を検討中の方はぜひ参考にしてください。

再就職手当とは?

再就職手当は、雇用保険法(第56条の3)により定められた、公共職業安定所(ハローワーク)から支給される手当です。受給のための条件を満たす人が再就職したことをハローワークに報告し、所定の手続きを行うことで再就職手当を受け取れます。申請してから手当が振り込まれるまでの期間の目安は1か月から2か月程度です。

参考:雇用保険法第五十六条の三(就業促進手当)

再就職手当のメリット・デメリット

再就職手当を受け取ることにはメリットだけでなくデメリットもあるため、両方を把握した上で利用を検討することが重要です。ここでは、再就職手当のメリット・デメリットについて解説します。

再就職手当のメリット

再就職手当の主なメリットは、再就職先の給与とは別に受け取れるため、引っ越しや通勤費など、就職に伴う初期費用を補うことができます。また、手当があることで生活に余裕ができ、安心して新しい仕事に集中しやすくなります。再就職手当は、早く働き始めた人を助けてくれる心強い制度と言えるでしょう。
また、再就職手当は非課税のため、支給された全額をそのまま使えます。さらに、再就職先を退職した時などに返金の必要が無いことも、再就職手当のメリットです。

再就職手当のデメリット

再就職手当を受け取るデメリットとして、失業手当が打ち切りになることが挙げられます。失業手当とは、一定以上の期間に雇用保険の被保険者だった人が、失業した期間中に受け取れる手当です。

再就職手当の利用条件は再就職することですので、失業手当と同時に受給することはできません。再就職手当を受け取る場合、失業手当を全額受け取る場合よりも金額が少なくなるケースがあることがデメリットです。

再就職手当をもらえる条件

再就職手当をもらうためには、次の条件を満たす必要があります。

受給手続きから7日間の待機期間の満了後に就職、または事業を開始

再就職手当は、受給手続きから7日間が「待機期間」として定められています。この期間中に就職や事業の開始などを行った場合は、再就職手当を受け取ることができません。必ず待機期間の満了後に就職または事業を開始するようにしましょう。

失業認定を受けた上で、所定給付日数の3分の1以上が残っている

再就職する日の前日までの失業認定を受け、失業手当の支給対象となる所定給付日数が3分の1以上残っていることが、再就職手当を受け取るための条件です。つまり、所定給付日数のほとんどを使い切ってしまったタイミングでは再就職手当の利用資格がないため注意しましょう。

離職前と同じ、または密接な関わりのある企業への再就職ではない

離職前と同じ企業や、密接な関わりのある企業に再就職する場合は、再就職手当は受け取れません。グループ会社や子会社だけでなく、前職からの紹介で入社する企業や、資本、取引などの関係性がある企業も「密接な関わりのある企業」に該当します。

1年を超える勤務期間が確実である

再就職手当を受け取るためには、再就職先で1年を超えて勤務する予定があることが必須条件です。ただし、1年以下の派遣契約の場合でも、契約更新の見込みがあれば再就職手当を支給できる場合もあります。

雇用保険の被保険者である

再就職先の企業で雇用保険に加入し、被保険者となる必要があります。

過去3年間に再就職手当または常用就職支度手当の受給がない

再就職手当の申請前の3年間に、再就職手当または常用就職支度手当を受給している場合は、再就職手当を利用できません。

受給資格の決定前に採用が決まっていない

再就職手当の目的は、あくまでも失業者の早期就職を支援することにあります。そのため、前職を退職した時点で再就職先の企業から内定をもらっているなど、受給資格の決定前に採用が決まっている場合は再就職手当の対象外です。

給付制限期間がある場合、ハローワークなどを通じて再就職をしている

給付制限期間とは、自己都合退職の待機期間のあとで設けられる制限で、この期間中は原則として再就職手当が受け取れません。ただし、給付制限期間中の最初の1か月間は、ハローワークや職業紹介事業者を通じて再就職した場合に限り再就職手当の受給が可能です。

再就職手当の受給額の目安

再就職手当は、「基本手当日額×支給残日数×給付率」という3つの数字の掛け算で計算されます。基本手当日額とは、「離職前の6か月間に支払われた給与の合計額÷180日×給付率」として計算される数字です。

給付率は、失業手当の支給残日数に応じて70%または60%のいずれかに決まります。失業手当の所定給付日数の3分の2以上を残して再就職した場合は給付率70%、3分の1以上3分の2未満の場合は給付率60%です。

例えば、基本手当日額が4,000円で、支給残日数が150日、給付率が60%であれば再就職手当の金額は「4,000円×150日×60%=36万円」となります。具体的な金額は離職前の給与や支給残日数などによって異なるため、自身の状況を確認した上で計算してください。

まとめ – 再就職手当の条件を確認しましょう

再就職手当を受給するための主な条件として、再就職先で1年を超える勤務期間が確実であることや、受給資格の決定前に採用が決まっていないことなどが挙げられます。また、再就職手当には収入を安定させられることや非課税であることなどのメリットがある反面、失業手当が打ち切りになるといったデメリットもあります。今回ご紹介した内容をふまえた上で、再就職手当を活用しましょう。

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