更新日:2024年05月22日

ホワイト企業への転職を意識し、成功した人は何割? アンケート調査

ホワイト企業のイメージ画像

労働環境や福利厚生が整っていて、働きやすいといわれるホワイト企業。「労働環境が整っていないブラック企業で身を削って働くよりは、ホワイト企業で働きたい」と考える人は多いでしょう。

「クリエイト転職」では、そんなホワイト企業への転職に関するアンケート調査を行いました。実際にどんな理由からホワイト企業への転職を希望し、何割がホワイト企業への転職に成功したのでしょうか。

アンケート調査概要

有効回答数: 事前調査4,664名、本調査328名(ホワイト企業への転職を意識し、転職できた人)
調査期間: 2024/4/9~2024/4/18
調査機関: 株式会社ジャストシステム(「Fastask」利用)
調査対象: 全国20歳以上の会社員
調査手法: Webアンケート

転職活動経験者の半数以上は、ホワイト企業への転職を意識

直近5年間で転職活動をした人を対象に、転職活動時に意識したこととして「ホワイト企業に転職したい」「年収アップしたい」「通勤時間を減らしたい」の3つを選択肢として用意し、当てはまるものを選んでもらいました。

【Q1】転職活動時に意識したこととして当てはまるものを全てお選びください。年収アップしたい(60.3%)、ホワイト企業に転職したい(53.3%)、通勤時間を減らしたい(28.8%)、この中に当てはまるものはない(11.6%)

アンケートの結果、この中で最も意識されていたことは「年収アップしたい(60.3%)」、続いて「ホワイト企業に転職したい(53.3%)」となりました。転職活動経験者の半数以上、年収アップしたいのとあまり変わらないくらいの割合で、「ホワイト企業に転職したい」という意識のもとに活動していたことが分かります。

なお、ブラック企業で働いていて年収が不当に上がらず、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。今回6割が回答した「年収アップしたい」も、ブラック企業からホワイト企業へ転職の際、意識されやすい顕在的なニーズのひとつと考えられるでしょう。

ホワイト企業への転職を意識した理由

「ホワイト企業に転職したい」と意識して転職活動をし、実際に転職ができた人(ホワイト企業であるかは問わず)に対して、前職(現職)ではどのような勤務状況だったのか聞きました。どんな状態が「ホワイト企業に転職したい」と思う動機につながったのでしょうか。

【Q2】「ホワイト企業に転職したい」と意識した理由として、前職(まだ転職、退職していない場合は現職)のどのような状態が影響しましたか? 当てはまるものを全てお選びください。休みがとれなかった(44.8%)、長時間労働だった/残業が多かった(44.8%)、給与が低過ぎた(39.3%)、労働環境が悪かった(33.5%)、ノルマが厳しかった(28.4%)、業務内容が過酷だった(25.9%)、福利厚生が最低限しかない(19.2%)、離職率が高かった(17.1%)、とくになし(4.3%)、その他(3.4%)

ホワイト企業に転職したいと意識した理由として、「休みがとれなかった(44.8%)」と「長時間労働だった/残業が多かった(44.8%)」が同率1位となりました。続いて、「給与が低過ぎた(39.3%)」が2位となっています。

労働時間が長過ぎてしまうと、転職の動機へとつながりやすくなるようです。また、勤務時間に見合った給与をもらえなければ、「給与が低過ぎる」という不満は生まれるでしょう。どの程度からブラック企業と感じるかは人それぞれですが、労働時間と給与のバランスが重要なポイントと考えられます。

転職活動時に意識した項目は?

では、実際にホワイト企業を目指して転職活動した人が、重視していた項目にはどのようなものがあるのでしょうか。

【Q3】ホワイト企業に転職したいと考えて転職活動を行った際、重視した項目として当てはまるものを全てお選びください。休日日数(55.8%)、業務内容(48.8%)、勤務時間(47.9%)、福利厚生の内容(39.9%)、給与(37.5%)、職場の雰囲気(35.7%)、ノルマの有無(29.3%)、離職率(10.7%)、とくになし(1.2%)、その他(0.9%)

結果は「意識した理由」とリンクするように、「休日日数(55.8%)」と「勤務時間(47.9%)」が高い割合となりました。前職(現職)での不満を払拭する要素を、重点的にチェックしていることが伺えます。

一方、「休日日数」に次ぐ2位となったのが「業務内容(48.8%)」。福利厚生や給与といった、いわゆる「ホワイト企業らしい」項目を抑えて、上位にランクインする結果となっています。労働環境や条件を重視しつつも、それだけではなく「どんな仕事をするのか」も大切と考えている転職者が多いようです。

転職先の企業が、実際にホワイト企業だった人の割合

転職活動の結果、実際に入社した転職先は、本当にホワイト企業だったのでしょうか。経験者に聞いてみました。

【Q4】転職後の企業は、実際働いてみた上で、ホワイト企業といえそうですか? いえる(68.9%)、どちらともいえない(24.1%)、いえない(5.5%)、まだわからない(1.5%)

結果、「(ホワイト企業だと)いえる」と答えた転職者は68.9%となりました。7割弱が理想のホワイト企業への転職を果たせていると考えられます。一方で、「いえない」は5.5%と低く、「どちらともいえない」が24.1%となっています。前職より環境が良くなっていたとしても、ホワイト企業とまでいえるかどうかは何ともいえない、といった人も多いかもしれません。

実際に入社してみなければ見えない側面もあるので、ホワイト企業を選んで転職したつもりでも、満足のいく労働環境になるとは限りません。しかし多くの人が、実際にホワイト企業に転職できていることがわかります。

「ホワイト企業といえる」と答えた転職者には、その理由も聞きました。

【Q5】どのような理由で、「いえる」と答えましたか? 休みがとりやすかった(61.5%)、労働環境が良かった(47.8%)、残業が少なかった(47.8%)、ノルマがなかった/厳しくなかった(40.3%)、福利厚生が充実している(32.3%)、十分な給与がもらえた(30.5%)、比較的楽な業務内容だった(23.9%)、離職率が低かった(11.1%)、その他(0.9%)、とくになし(0.0%)

理由の1位は「休みがとりやすかった(61.5%)」で、2位以降を大きく引き離してトップとなっています。2位は同率で「労働環境が良かった(47.8%)」と「残業が少なかった(47.8%)」でした。有給休暇を自由に取得しやすい環境に、好印象をもつ社員は多いでしょう。

ホワイト企業だと今後のキャリアに不安はある? ない?

ホワイト企業は無理な長時間労働や休日出勤が少なく働きやすいぶん、「成長できないのでは?」と不安を感じる声も少なくありません。ホワイト企業でのキャリア形成について、不安の有無を聞きました。

【Q6】ホワイト企業でのキャリア形成に不安はありますか? ある(67.1%)、ない(20.1%)、どちらともいえない(12.8%)

「不安がある」と答えたのは67.1%。実に7割弱はホワイト企業でのキャリア形成に不安を持っていることが分かりました。残業が少なく、休日も多い仕事では、自分の業務レベルを上げていくことが難しいかもしれないと感じている人が多いのかもしれません。

しかし、キャリア形成と“ホワイト”な働き方は必ずしも等価交換ではありません。昨今はワークライフバランスを重視しつつも、積極的なキャリアアップを目指していける企業も増えてきています。転職サイトで先輩社員の口コミを確認したり、面接でキャリア形成について質問したりすることで、自分に合ったバランスの企業を選びましょう。

今回の調査では、ホワイト企業への転職を意識し、転職した人の7割弱が、実際にホワイト企業に入社できた結果となりました。「ホワイト企業に転職したい」という動機は転職者の約半数が抱えており、主に「休日」や「労働時間」を気にしています。

一方で、適度に休みがとれる“ゆるい”環境だと、今後のキャリア形成に不安を感じたり、働きがいを見いだせなかったりする人もいるでしょう。昨今ではこのような企業を「ゆるブラック企業」と呼ぶ風潮もあるようです。

どのレベルの環境を「ブラック企業」「ホワイト企業」と呼ぶのかは人それぞれ。転職時は募集要項に書かれた給与や年間休日などの数値だけで判断せず、口コミや社員インタビューなどの定性的な情報もチェックしながら、あなた自身にフィットする企業を見つけていってください。

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