作業療法士の転職・求人|仕事内容を解説
作業療法士の求人|転職状況や未経験での就職について
作業療法士の求人状況は比較的安定しており、就職しやすい傾向にあります。
医療業界自体が人手不足となっている中、リハビリテーションを担う作業療法士のニーズは高齢化とともに高まっています。
厚生労働省が発表している医療技術者の有効求人倍率データでは、2020年12月現在で2.74倍となるなど、医療業界で人手不足となっている傾向が見られます。
未経験の作業療法士でも就職することはそれほど困難ではないでしょうし、今後さらなる高齢化の進展の中、作業療法士の就職は求職者にとって有利な状況が継続するものと考えられます。
作業療法士は一度資格を取ってしまえば就職先に困ることが少ない業種の1つと言えるでしょう。
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作業療法士とは
作業療法とは「作業療法」とは、心身に障がいのある方に対して、食事や着替えなどのセルフケア、家事や仕事などの日常生活動作を通じて治療を行うことで、患者1人1人にあった「自分らしい生活」を会得させることが目的です。
作業療法士は病院だけでなく様々な場所で活躍しています。
具体的に以下のような勤務先があります。
医療:大学病院、総合病院、クリニック/福祉:障害者施設、児童福祉施設/介護:老人保健施設、デイケア/保健:地域包括支援センター、保健センター/職業:就労支援事業施設、ハローワーク/教育:特別支援学校 など
肉体的なケアだけでなく精神的・社会的なケアまで行う作業療法士には医療機関から公的機関まで様々な活躍場所があります。
作業療法士の仕事内容
作業療法士の仕事は単純に「肉体的なリハビリテーションを行うこと」だけが仕事ではありません。
具体的には以下の治癒を行うことによって、患者が自分らしい生活を会得することができるように指導します。
・基本的動作能力:運動、感覚・知覚、心肺や精神、認知機能
・応用的動作能力:食事やトイレ、家事など、日常生活で必要とされる活動
・社会的適応能力:地域活動への参加、就労、就学、趣味活動など
運動能力や生活に関わる動作の能力、そして社会に適応する能力などをケアして、
患者1人1人にあった自分らしい生き方を会得するための治療を行います。
作業療法士になるには
国家資格を受験するためには「作業療法士養成校を卒業している(卒業見込みである)」という条件を満たさなければなりません。
作業療法士養成校において3年または4年の修了期間を経て、毎年2月に実施される作業療法士国家試験に合格すると、作業療法士のキャリアがスタートします。
作業療法士の資格について
作業療法士国家試験の難易度は合格率から考えればそれほど難しくはありません。
2019年の受験者数6,352人に対して合格者数は5,548人はとなっており、合格率は87.3%です。
新卒者だけの合格率は94.2%となっており、作業療法士養成校を卒業すれば高い確率で作業療法士としての国家資格を獲得することができるでしょう。
作業療法士の仕事体験談
仕事・転職体験談:作業療法士として働いてよかったこと①
(30代 男性)
「リハビリを通じて、利用者の方が明るくなっていく様子を見ることができるのが大きなやりがいだと思います。
リハビリによって筋力や体力が向上することで、これまでは諦めていた旅行や趣味を再開でき、利用者の方が生きがいを感じ明るくなっていく様子を見ることができます。
肉体的だけでなく精神的に向上していく様子を見ることができるのは大きな喜びだと思います。」
仕事・転職体験談:作業療法士として働いてよかったこと②
(30代 男性)
「利用者の方と何度も接していると、肉体的な悩みだけでなく精神的な悩みも話してくれるようになります。
そのような時には作業療法士として利用者様の支えになっていると感じられることが多く、作業療法士になってよかったと感じます。」
仕事・転職体験談:作業療法士として働いて大変だったこと
(20代 女性)
「精神病院などに勤務すると、様々な症状の患者様がいます。
普段は「なぜ入院しているんだろう」と思われるような一見普通の患者様が、突然症状が変化することがあり、気が抜けません。
また、リハビリに苛立つ患者様から罵声を浴びせられることもしばしばです。
働いている病院によって患者様の容体や対応も異なるので、転職するたびに勤務先のルールに合わせていかなければならないのは大変だと思います。」
よくある質問
- 理学療法士との違いはなんですか?
- 理学療法士とは、日常生活を送るために必要な基本的な動作の獲得・回復を目的としてリハビリテーションを行う職業です。
治療の手段は運動療法と物理療法です。
運動療法とは立ち上がりや歩行といった、日常生活を送る上で基本となる動作の訓練を行うことです。
また、動作を円滑にするために必要な筋力や関節の動きを維持・改善する訓練も行います。
物理療法とは、電気・温熱・光線などを用いた治療行為です。
理学療法士は運動療法と物理療法の2つから、患者の基本的な動作の獲得・回復を目的としてリハビリテーションを行います。
理学療法士は「運動・動作」という点だけにフォーカスしている一方、作業療法士は社会適応能力まで訓練します。
さらに運動の分野に関しても、理学療法士が階段の昇り降りのように身体を大きく動かすリハビリテーションを行うのに対して、作業療法士は手指の動作などのリハビリテーションを行う場合が多くなっています。
あくまでも「大きな運動」に特化した理学療法士に対して、作業療法士は広く社会生活まで含めた「1人1人にあった自分らしい生き方」を実現できる職業だと言えるでしょう。 - 作業療法士の将来性・有効求人倍率は?
- 作業療法士は将来的にも就職に有利な資格職業となっていくでしょう。
厚生労働省が公表している有効求人倍率は、作業療法士に限定したデータを公開しておりません。公開されている中では「医療技術者」が該当するでしょう。
厚生労働省から公開されているデータでは作業療法士に限りませんが、医療技術者の有効求人倍率は2.5倍以上と、求職者よりも人材を探す企業・求人の方が多い状況です。
厚生労働省が発表している有効求人倍率
また、団塊ジュニアが高齢者になる2040年~2060年頃に、日本の高齢化はピークを迎え、医療の発達によって寿命が増えることでリハビリテーションの需要はさらに大きくなり、医療・介護の分野で作業療法士は必要とされるでしょう。
給料面においては、それほど大きく上昇することは期待できないでしょうが、安定した職業であることは間違いありません。
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作業療法士に向いている人について
作業療法士に向いている人は以下の3つの条件を満たしている人です。
・患者に寄り添う気持ち
・根気強さ
・観察力
作業療法士に最も重要なことは「患者に寄り添う気持ち」があるということです。
患者は体の痛みや思うように体が動かない精神的な苦しみや苛立ちを感じています。
リハビリテーションを成功させるためにも、患者に寄り添い、患者の立場に立つことが重要です。
患者に寄り添い、時間がかかっても根気強く患者と接しリハビリテーションを進めていくことが作業療法士には求められます。
また、患者の肉体的・精神的な少しの変化も見逃さない鋭い観察力も重要です。
人をよく観察し、根気強く寄り添うことができる人が作業療法士に向いているでしょう。 -
作業療法士のキャリアアップについて
作業療法士のキャリアアップは「どの道に進みたいか」「どんな知見を蓄積したいか」によって異なります。
急性期の患者の対応をしたいのか、回復期の患者の対応をしたいのかによって進む道は異なります。
例えば、急性期の患者の対応をしたいのであれば大学病院などに勤務して、急性期の患者に対応する知見を蓄積するとよいでしょう。
回復期の患者の対応をしたいのであれば、リハビリテーション施設や脳神経外科などに勤務することで希望するキャリアを経験することができます。
また、作業療法士の治療技術は日々進化していますので、作業療法士同士で勉強会を開いたSNSなどで繋がったりすることで、技術や情報の交換をすることも大切になるでしょう。
最近では、オンラインセミナーも増えてきているので、自宅からでもキャリアアップを図ることができます。 -
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